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12月3日(日)午後に、JBON共催催事「今、必要とされている生物多様性観測」(ハイブリッド方式で開催予定のワークショップ)が開催される予定です。

プログラムや申込方法などの詳細や最新情報についてはこちらをご確認ください。
(リンクをクリックするとJBIF(日本生物多様性情報イニシアチブ)ウェブサイトに接続します)



21世紀の生物多様性研究ワークショップ(通算第18回) 「今、必要とされている生物多様性観測」

主 催:国立科学博物館、国立環境研究所、日本生物多様性観測ネットワーク
後 援:国立遺伝学研究所(予定)
日 時:2023年12月3日(日) 13:30 - 16:30
場 所:国立科学博物館 上野本館 日本館講堂(定員80名)およびオンライン(Zoom使用・定員200名程度)
参加費:無料。現地参加の場合には、通常入館料(一般・大学生 630円。高校生以下・65歳以上および18歳未満は無料)が必要です。

趣旨

21世紀の生物多様性ワークショップ(通称GBIFワークショップ)も18回目となり、今回は、生物多様性観測をテーマにすることにいたしました。生態系の恩恵を持続的に享受できる社会を築くためには、生物多様性の状態を適切に観測することが第一に必要です。その上で、GBIFに代表されるように観測データに関する情報基盤を整備し、データを解析・評価することによって、地域の活動に貢献し、生物多様性の損失を回復に転じさせる「ネイチャーポジティブ」を実現することが求められています。日本の生物多様性観測は、公的な機関だけでなく、個別の研究者、自然愛好者団体、個人など、さまざまな主体によって行われており、観測の持続性の確保や主体間の連携が必要とされています。今回は、さまざまな生物多様性の観測とデータ活用について紹介し、生物多様性観測の継続と発展に向けた議論を行う場にしたいと考えております。

講演

  1. 開会挨拶・趣旨説明(国立科学博物館・神保 宇嗣)
  2. 研究者主体の生物多様性長期モニタリングの潮目(日本国際湿地保全連合・横井 謙一)
  3. 森林生態系を地上、空中、宇宙から観測する – センシング技術の発展と展望(国立環境研究所・竹内 やよい)
  4. 自然環境保全基礎調査の今後の展開(環境省生物多様性センター・高橋 啓介)
  5. 生物多様性観測:蓄積されたデータの活用と観測手法の発展(国立環境研究所・深谷 肇一)
  6. 総合討論「生物多様性観測の継続と発展に向けて」
  7. 閉会あいさつ(JBON代表・西廣 淳)

参加方法

参加申込フォーム:こちらからお申し込みください
参加登録申込締切:2023年 11月27日(月)9:00


 2023年10月7日、8日に、兵庫県立人と自然の博物館にて、第15回ミミズ同定実習を開催しました。この実習は、ミミズ研究談話会が主催する企画で、兵庫県立人と自然の博物館と日本生物多様性観測ネットワーク(JBON: Japan Biodiversity Observation Network)が共催として開催しました。
 参加者は約30名で、研究機関や博物館の職員、大学教員、コンサルタント会社の技術者、一般企業の会社員、学生、市民科学者、NGOなど、さまざまな分野から老若男女の参加がありました。ミミズに対する興味も多様で、ミミズ研究の最前線にいる研究者、高校時代からミミズ研究一筋の学生、サルやモグラの餌生物の視点で興味をもつ学生、生きもの好きな樹木医、地域づくりに取り組む会社員など、さまざまな動機と背景を持った方が参加しており、一見さんでも気軽に参加できる大変雰囲気の良い企画でした。




 実習は、ミミズ学の基礎や分類の歴史と最新の分類体系といった専門的な座学から始まりました。ミミズ類の分類形質の少なさや種の記載の歴史に感銘を受け、普段は“ミミズ”としか認識していなかったミミズ類の多様性に衝撃を受ける内容でした。
 一定の基礎知識をつけた後、参加者は一斉に外に出て、皆でミミズ類を採集しました。スコップとチャックポリ袋を持ち、湿り気のある側溝の土をひたすら掘り起こしました。その結果、約1時間で6種288匹(種同定が困難な幼体138匹を含む)のミミズ類が採集できました。採集した個体は水道水で洗浄し、アルコールで麻酔をかけ、ガラス棒で挟んで体を直線にしてホルマリンで固定しました。翌日、直線状にまっすぐに固定された標本を顕微鏡下で観察、解剖しました。外部形態や内部形態を観察し、重要な同定形質の一つである腸盲嚢の形態などを比較して、種の特徴を観察しました。










 実習の最後には、「標本のデジタル化と活用」と題して、生物多様性観測の基礎となる種同定の知識やスキルの重要性、JBONの紹介を含めた発表を三橋弘宗氏が行い、自由な意見交換の時間を設けたのち閉会となりました。
 今回の実習は、再起動されたJBONの人材育成(キャパシティービルディング)部会として初めての企画となりましたが、生物多様性観測の土台となる分類などの基礎知識、採集や種同定に関わる技術の習得と実体験、それらの記録やデータの蓄積が影響を及ぼす政策や国際的なイニシアティブとの関係性までを一つのパッケージとして整備していくことの重要性を改めて感じる機会となりました。
 なお、本実習で採集・同定された6種(フキソクミミズ、ノラクラミミズ、クソミミズ、ヘンイセイミミズ、フタツボシミミズ、メキシコミミズ)の標本の一部は、貴重な自然史資料として兵庫県立人と自然の博物館に収蔵されました。





JBONのロゴマークは、JBON関連活動の報告や研究発表のために使用する場合はご自由にご使用いただけます。
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環境省生物多様性センターから発行された「自然環境調査に係る生物多様性情報の整備と発信のガイドライン」へのリンクを、ライブラリーに掲載しました。

このガイドラインのポイント

  • 本ガイドラインは、自然環境保全基礎調査マスタープランの付属資料として作成され、取得した生物多様性情報(特に種の分布データ)を効果的に活用・共有するためのデータ整理・公開の方法が具体的に説明されています。
  • オープンデータ化の原則的な考え方やDarwinCoreフォーマットの解説など、お役立ち情報と詳細サイトへのリンクが満載です。
  • 今後、国内における効率的かつ効果的な生物多様性情報の活用やデータ連携に当たり、本ガイドラインが一助となることが期待されています。


下記のURLは、いずれも生物多様性センターのウェブページ内のアドレスです。
ガイドライン(PDF)への直接リンク
https://www.env.go.jp/content/000135201.pdf
ガイドラインを掲載している自然環境保全基礎調査マスタープランのウェブページ
https://www.biodic.go.jp/kiso/masterplan.html


日本生態学会第70回大会においてJBON主催の自由集会を行いました。

自由集会「JBON集会:生物多様性観測の未来」
企画:西廣、三橋、村岡

2023年3月20日 13:00~14:30
日本生態学会大会(2023年3月@オンライン)

  1. 趣旨説明 西廣淳(国環研)
  2. 生物多様性データの解析・活用 角谷拓(国環研)
  3. 自然史とデータ活用を支えるプラットフォーム 三橋弘宗(兵庫県博)

コメント 久保田康裕(琉球大学)