下記の日程で、第3回JBONワークショップを開催します。
J-BONは、GEO BONに呼応して発足した研究者の自発的ネットワークです。GEO BONは、地球全体の生物多様性・生態系の変化を継続的に観測し、データをオープンリソースのデータベースに統合し、ユーザー(政策決定者など)が利用しやすい形でアウトプットを出していくメカニズムとして提案されました。現在、このメカニズムを作るための努力が国際的に進められているところです。
日本では、GEO BONに呼応してまずJ-BONがスタートしました。続いて、環境省の財政的な支援を受けてAP-BONが組織され、これまでに4回のワークショップを開催しました。さらに、環境研究総合推進費によるS9プロジェクト「アジア規模での生物多様性観測・評価・予測に関する総合的研究」が昨年度からスタートしました。このプロジェクトは、AP-BONのコアプロジェクトとしての役割が期待されています。
ただし、S9はあくまでも一プロジェクトです。一方で、J-BONは「ネットワーク」です。すなわち、S9以外のプロジェクトやNGO・市民・行政などによる観測データも活用しながら、日本およびアジアでの生物多様性・生態系の変化について、継続的にデータを集め、統合・加工し、ユーザーに提供していく役割をになうメカニズムです。S9は5年で終了しますが、J-BONにはその後も継続してデータをユーザーに提供していく役割が期待されています。
このようなメカニズムをどうやって構築し、維持していくかを生物多様性・生態系関係者(研究者・市民・行政関係者など)が一緒になって考え、広く議論する場として、第3回J-BONワークショップを開催したいと思います。
- 日時:2012年7月27日(金) 11:00-12:00 幹事会、13:00-16:30 ワークショップ(全体会議)
- 会場:東京大学農学部3号館4階大会議室(定員300名)
全体会議プログラム
13:00〜14:00
- 矢原徹一「環境省S9プロジェクトとJBONの連携:研究成果とユーザー間のギャップをいかに埋めるか」
- 伊藤元己「文部科学省GRENEプロジェクトとJBONの連携:オープンリソースデータベース構築の現状と課題」
- 道家哲平「生物多様性条約の最新動向と研究者に求められている事:ユーザーの立場から」
14:15〜15:30
- 高川晋一「生物多様性の長期広域観測と評価における市民調査の可能性と課題」
- 大手信人「JaLTERの活動、到達点と課題」
- 三橋弘宗「生物多様性データベースを行政や市民の活動にどう生かすか」
- 奥山正樹「環境省生物多様性センターにおけるデータの収集と提供について」
- 石井励一郎「J-BONリモセン分科会によるリモセン−地上観測の情報交換窓口の提案」
15:40〜16:30
- 総合討論
皆様の積極的なご参加をお待ちしています。なお、参加を希望される方は下記までご一報いただければ幸いです。(参加人数の見通しをたてるためです。当日参加も可能です。)
連絡先: 九州大学理学研究院生態科学研究室 スレムコ知佳 cslemscb [at] kyushu-u.org (atを@に変えてください)